調停と審判
<<婚姻費用の分担>> ○婚姻費用…別居中の夫婦間で、生活費(婚姻費用)の分担について協議がまとまらない場合には、家 庭裁判所に調停の申立てをして、婚姻費用の分担を請求することができます。 調停手続においては、夫婦の資産、収入、支出などの一切の事情について、当事者双方か ら事情を聴き、必要に応じて資料の提出を求めるなどして、事情を把握したうえで、解決案を 提示したり、解決のために助言をしたりして、合意を目指しながら話し合いが進められること になります。 もし、話し合いがまとまらず、調停が不成立(不調)になった場合には、自動的に審判手続が 開始され、家事審判官(裁判官)が一切の事情を考慮して、審判をすることになります。 ○申立人…夫または妻。 ○申立てに必要な書類…(1)申立書1通。(2)申立人と相手方の戸籍謄本1通。 <<財産分与>> ○財産分与…財産分与とは、夫婦が婚姻中に協力して取得、維持した財産を、離婚する際あるいは離婚 後に分けることを言います。 離婚後、財産分与について協議がまとまらない場合には、離婚のときから2年以内に家庭裁 判所に調停の申立てをして、財産分与を請求することができます(離婚前の場合は、離婚調 停の中で財産分与について話合いをすることができます。)。 調停手続においては、夫婦が協力して取得、維持した財産がどれ位あるのか、財産の取得、 維持に対する夫婦双方の貢献の割合はどれくらいなのか等一切の事情について、当事者双 方から事情を聴き、必要に応じて資料の提出を求めるなどして、事情をよく把握したうえで、 解決案を提示したり、解決のために必要な助言をしたりして、合意を目指しながら話合いが 進められることになります。 もし、話し合いがまとまらず、調停が不成立(不調)になった場合には、自動的に審判手続が 開始され、家事審判官(裁判官)が一切の事情を考慮して、審判をすることになります。 ○申立人…夫または妻。 ○申立てに必要な書類…(1)申立書1通。(2)申立人と相手方の戸籍謄本、住民票各1通。(3)財産目 録、不動産の登記簿謄本、固定資産評価証明書等各1通。 <<慰謝料>> ○慰謝料…慰謝料は、相手方の不法行為によって被った精神的苦痛などを慰謝するための損害賠償で あり、配偶者の故意または過失による行為によって離婚せざるを得なくなった場合などにお いて、請求することができるものです。 離婚後に離婚原因を作った相手に対して慰謝料を請求する場合には、離婚のときから3年 以内に、家庭裁判所の調停手続きを利用することができます(離婚前の場合は、離婚調停の 中で慰謝料について話合いをすることができます。)。 調停手続では、当事者双方から、離婚に至った経緯や離婚の原因がどこにあったかなどの 事情を聴いたり、必要に応じて資料の提出を求めるなどして事情をよく把握して、解決案を提 示したり、解決のために必要な助言をする形で話合いが進められます。 ○申立人…夫または妻。 ○申立てに必要な書類…(1)申立書1通。(2)申立人と相手方の戸籍謄本各1通。 <<養育費>> ○養育費…離婚をすると夫婦の縁は切れても、親子の縁は切れません。つまり子供を扶養する義務は両 親にありますので、離婚しても両親がその経済力等の事情に応じて子の養育費を分担する わけです。 養育費について協議がまとまらない場合などに、子を監護している親から他方の親に対し て、家庭裁判所に調停の申立てをして、養育費の支払いを請求することができます(離婚前 の場合は、離婚調停の中で子供の養育費について話合いをすることができますし、別居中の 場合は、婚姻費用の分担の調停の中で子供の養育費について話合いをすることができま す。)。 話合いの結果合意した養育費であっても、その後に事情の変更があった場合は、養育費の 額の変更を求める調停を申し立てることができます(再婚した場合や子供が進学した場合な どで)。 調停手続においては、養育費がどのくらい必要なのか、申立人および相手方の収入がどのく らいあるのか等一切の事情について、当事者双方から事情を聴き、必要に応じて資料の提 出を求めるなどして、事情をよく把握したうえで、解決案を提示したり、解決のために必要な 助言をしたりして、合意を目指しながら話合いが進められることになります。 もし、話し合いがまとまらず、調停が不成立(不調)になった場合には、自動的に審判手続が 開始され、家事審判官(裁判官)が一切の事情を考慮して、審判をすることになります。 ○申立人…父または母。 ○申立てに必要な書類…(1)申立書1通。(2)申立人と相手方、子供の戸籍謄本各1通。 <<面接交渉>> ○面接交渉…面接交渉とは、離婚後に子供を監護・養育していない方の親が子供と会う機会を持つとい うことです。 面接交渉の頻度、場所など、具体的な内容や方法について、協議がまとまらない場合には、 家庭裁判所に調停の申立てをして、面接交渉の具体的な内容や方法についての取り決めを することができます(離婚前の場合は、離婚調停の中で面接交渉について話合いをすること ができます。)。 調停手続においては、子供の年齢、性格、就学の有無、生活のリズム、生活環境等一切の 事情について、子供の意向を尊重した取り決めとなるように、事情をよく把握したうえで必要 な助言をしたりして、合意を目指しながら話合いが進められることになります。 もし、話し合いがまとまらず、調停が不成立(不調)になった場合には、自動的に審判手続が 開始され、家事審判官(裁判官)が一切の事情を考慮して、審判をすることになります。 子供の福祉の観点から、面接交渉が認められない場合もあります。 ○申立人…父または母。 ○申立てに必要な書類…(1)申立書1通。(2)申立人と相手方、子供の戸籍謄本1通。 <<子の氏の変更>> ○子の氏の変更…父母が離婚したことにより、子が父又は母と氏を異にするにいたった場合、その子は 家庭裁判所の許可を得て、父又は母の氏を称することができます。一般的な例としては、父 母が離婚し、筆頭者である父の戸籍にあって父の氏を称している子が、母の戸籍に移り母の 氏を称したいときにこの申立てをして、家庭裁判所の許可を得る必要があります。 婚姻中は父を筆頭者とする戸籍であったのであれば、離婚が成立し、親権者が母になった場 合でも、自動的に子の戸籍が母に移るわけではありません。子を母親の戸籍に入籍させるに は、家庭裁判所の審判書を添付して、区市町村役場に入籍届を提出しなければならないこと に注意が必要です。 ちなみに、父母が婚姻中の場合には家庭裁判所の許可は必要ありません。 ○申立人…子(子が15歳未満のときはその法定代理人が子を代理します)。 ○申立先…子の住所地の家庭裁判所。 ○申立てに必要な書類…(1)申立書1通。(2)子及び父又は母の戸籍謄本各1通。 ジャンル別一覧
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